2006年2月20日(月)に富士常葉大学において、「ワンガリ・マータイ女史記念講演会」が開催されました。800人以上の参加者が集まり、会場も本会場+サテライト会場の2会場となり大変熱気に包まれた講演会になりました。
私もこの講演を聴きに行ってきましたので、その講演の簡単なレポートを報告します。
以下、講演会を通しての大まかなポイントは、以下の7つです
【講演会報告】
マータイ女史が住むケニアにもケニア山(標高 5199m)がある。日本の富士山もケニヤ山同様にすばらしく、そこに住む人々にとっての誇りである。また、そのような美しい山には神が住んでおり、そこには特別なエネルギーが宿り、周辺の人々はその山々に畏敬の念を持っている。この精神が今、とても重要になってきている。
京都議定書は、1997年に京都で開かれた地球温暖化防止京都会議(第3回気候変動枠組条約締約国会議、COP3)での議決した議定書であるが、世界最大の二酸化炭素発生国であるアメリカ合衆国が国内事情により締結を見送っているなど問題も多い。しかし、このような大国(政府)の力を当てにするのではなく、小さくても市民一人一人の動きが大切であり、それが大きな動きに成る得る。
環境が豊かなところには争いは起こらない。環境が脅かされ、自己の生命を守るために争いが起こる。
一部の先進諸国だけが資源を独占せず、責任を持って資源を分配する「資源の公平な分配」が重要である。それには人権、法を守るしっかりとした統治の仕組みが必要である。
経済的な効果のみを追求すると環境に大きな負担を与える。それが周りまわって人間に戻ってくる。人間が経済活動をする際にも、環境を考慮し将来を見据えたビジョンを常に考える必要がある。
日本には削減 (Reduce)、再利用 (Reuse)、およびリサイクル (Recycle)を実行に移せる環境が整っている。これら”3つのR”を実現するための高度な技術も所有するとともに「もったいない」に表される昔から伝わる伝統・文化が備わっている。
日本には古くから”感謝”の気持ちで資源を享受する奥深い文化、伝統がある。このような感謝の念やそれらを生み出している大地への畏敬の念を大切にすべきである。
最近”もったいない”という私たち日本人が普通に使っている言葉にスポットが当てられ、世界的にも話題となりました。この”もったいない”という言葉には、上の7つの要素がすべて含まれていると思います。私たち日本人は代々この感覚を伝統・文化の中で伝承してきました。様々な問題が露呈し始めている現代において、この伝統・文化を見つめ直す時期に来ていると思います。日本の伝統・文化を誇りに思い、日本人として歩む道を考えていきたいと思っています。
最後になりますが、マータイ女史はとても気配りされる方で、そしてとても笑顔の素晴らしい方でした。 いわい茂樹
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